キスは奪うもんじゃない。
そう教えてくれたのは彼女だった。
キスなんて、奪うもんだと思っていた。
そうじゃないと教えてくれたのは彼女だった。
「バーナビー、酔っぱらってるでしょ?」
「…酔ってません…」
「酔っぱらいは皆そう言うの!全く…虎徹さんも虎徹さんよね。」
「…」
の華奢な背中に圧し掛かり、自由を奪う。
そのまま僕を誘うように光る唇に齧り付く。
「んっ、ゃあっ、」
が、全力で拒絶された。
「何で…」
「バーナビーが酔っぱらってるから!」
「…聞きません。」
そのまま、奪うようにキスをした。
呼吸も、心臓も、何もかもを奪うようにキスをした。
も最初は抵抗していたが、次第に僕に絆されていった。
ちらりと盗み見たの表情はとても扇情的だった。
暫く愉しんでいると、がどんどんと僕の胸を叩き、限界を訴えてきた。
惜しむように離れると、が顔を真っ赤にして酸素を肺に送り込んでいた。
「バーナビー、お酒臭い!…私まで酔っちゃいそう…。」
「僕はもう、酔ってますよ。」
「知ってるよ!」
「違います。…に、です。」
更に顔を真っ赤にしたに覆いかぶさり、再びキスをする。
今度は、奪うようにではなく、優しく、キスをした。
モドル