虎徹特製のディナー、チャーハンをお腹一杯に食べた私は、バスタブに湯を張りお風呂の準備を始める。
「バブルバスにしていいよね?」
「おー」
後片付けをしている虎徹の生返事を聞きながら、バスタブの中に泡が出来ていくのをぼーっと眺める。
「わ!、どうしたんだ?」
「びっくりさせないでよ、虎徹!泡ができるのを見ていたの。」
「それはいいが、せっかくの風呂が冷めちまうぜ?」
「んー、そうよね…」
「っし!このまま一緒に入ろうぜ!」
「え、ちょ、わわっ!」
1も2もなく、虎徹は服を脱ぎ始めた。
「ホラ!も入れよ!」
こう無邪気に誘われては断るのは私には至難の業だ。
それに、私も虎徹もいい大人だ、もう若くない。
「しょうがないな。」
脱衣所へ戻り、虎徹の服と自分の服を洗濯機の中へ放り込む。
「お、来たか。」
再び虎徹と顔を合わせると、彼はバスタブの中で歯を磨いていた。
「またお風呂で歯磨き?」
「一石二鳥じゃねえか。」
「…まぁ、ね。」
私もたまにやるので強くは言い返せない。
髪と体を洗い、私もお風呂の中へ入る。
虎徹の鍛え上げられた胸板に背中を預け、寄り掛かる。
虎徹はと言えば、私の頭の上で口をゆすいでいた。
「っかー!」
「虎徹、オジサンみたい。」
「オジサンって言うな!ったく、にもバニーちゃんにも言われちゃかなわねーな。」
「はぁ、私も歯磨きセット持って入るんだった。」
「なら、俺が磨いてやろうか?」
耳を疑い虎徹を見上げる。
「何バカ言って」
「はい、あーん!」
「んぁっ?!」
顎を取られ上を向かされ、虎徹の歯ブラシが私の口の中を蹂躙していく。
常より自分でできる事を他人にやって貰う事が、こんなにも恥ずかしいとは思いもしなかった。
それに、顎を取られているせいで首が動かせず、至近距離にある虎徹の顔を見つめる格好になってしまう。
「ヤベぇな…、俺、勃ってきた…」
「?!」
モドル