何だかんだとあって、やっと第二中隊の集合場所に来る事が出来た。




まさか集合してから皆の前でさっきの様な…ゲフゴフな事をされるのかと思ったら、
やはりそこは切り替えがきくらしい。




呼び方も“”から“”に戻っていた。




うん、これでいいんだ。




そして新城中尉は猪口曹長が回収してきた鎮台主力の装備を一つ一つ手にとって見ていた。




この第二中隊には無い装備品ばかりだ。




「へぇ…旋条銃じゃないか。」




「最新型です。」




猪口曹長はどこか得意気に長所、短所を語り始めた。




しかし、私にはさっぱりわからない。




「こいつを作るには金が掛かるから専門の鋭兵科…いや、その鋭兵にも十分には支給されていないんだ。」




新城中尉は構えていた銃を背負いながら指示を出す。




「曹長、貴様の判断で中隊に配分しろ。あぁ、前衛につく事の多い尖兵には優先的に渡るように。」




「は。…しかし…おそらく…」




猪口曹長の考える事は大体わかる。彼なら…言いそうな事だ。




「足が遅くなると嫌がる様だったら僕からの命令だと伝えろ。」




「…はい、中尉殿。」




そして背を向けていた猪口曹長に振り返り、




「大隊長殿によれば第二中隊は今後も僕が指揮を取るそうだ。」




「はい、中隊長殿。」




敬礼をして猪口曹長は新城中隊長を受け入れた。




そのまま猪口曹長は歩いていった。




私はといえば何だか嬉しくなって頬が緩む。




「…何を笑っている、




「いやぁ〜なんでもないですよ〜。」




「…まぁいい。、お前も旋条銃に」




「いえ、自分はこのままで十分です。」




言った途端、新城中尉の眉がピク、と動いた(気がする)。




「こいつでさえも扱いきれていないので。」




「…そうか。」




「それに、」




言ってやろう、言ってやろう!




「自分のことは貴方が守ってくれるんでしょう?…新城中隊長殿。」




呆然とした顔が突然、ニィッと吊り上り、




「当然だ。」




したり顔になった。




あぁ、顔が熱い!




「第二中隊、出撃だ!!」










モドル