「…?」




僕の腰に顔を埋めたまま、はぴくりともしなくなった。




耳を凝らして呼吸音を聞いてみると、どうやら寝てしまったらしい。




「全く、」




この犯罪的に無防備な少女は、どうしたら危機感という物を持ってくれるだろうか。




「まぁ、無理だろうな。」




呟き、溜息を一つ吐く。




この状態は幾らか気分が良いが、反面生殺しのような気もする。




腰に回っている腕を静かに外し、押入れから布団を引っ張り出す。




床に敷き、の身体をそこに横たえてやる。




安らかな寝顔を見ていると、自分にも眠気が移ってくる。




…そういえば、押入れに布団はこれしか入っていなかった。




元々は僕の一人部屋だったんだ、当然か。




仕方が無いんだと、自分と眠っているに言い聞かせ、布団に潜り込み、
の身体を後ろから抱き締めながら意識を闇へと堕とした。









とても暖かい。




が傍にいてくれているのだろうか。




…あれ、でも今はは猫舎に入っている筈…。




それにはもっと柔らかくて、大きくて…。




「随分と大胆だな、。」




「 … … 」




あれ?




「それとも、寝惚けているだけか?そろそろ起きろ。」




「…っきゃふ」




余りにも驚いて悲鳴を上げそうになったのを新城中尉に止められた。




唇で。




「急に叫ぶな。驚くだろう。」




「…私は新城中尉の止め方に驚きましたけどね…!」




「中々悦かっただろう?」




「知りません!」




布団から抜け出し、未だ布団に横になっている新城中尉に背を向け、正座をする。




「あ、れ…」




思い出す、違和感。




「どうした?」




「…サラシを、まだ巻いていませんでした…。」




「手伝ってやろうか?」




「いりません!向こう向いててください!」










モドル