高校を無事に卒業し、大学生になった私は




「ただいまー…って、誰もいないか…」




それを機に一人暮らしを始めた




「お帰り、。」




「何で?!」




はずだったんだけど。




「因みに合鍵は勝手に作らせてもらった。」




「それ犯罪…。」




最近よく、恋人である元隣の家の次男坊、なおちゃんが家に居たりする。




溜息を吐きながらリビングに置いてあるソファで寛いでいる、我が道を行く彼氏様の隣に座った。




「…鍵だったら、言ってくれたらあげたのに。」




白い猫のキーホルダーを付けた合鍵の出番はなくなってしまったようだ。




仕舞おうとした手を引かれ、なおちゃんの膝に倒れこんでしまう。




「有難く頂いておこう。」




合鍵を持っていた手を包み込まれるように握られる。




私も甘える様に体制を、横向きから天井を見上げる形に変えた。




途端に漂う甘い空気。




むず痒くて苦手だった昔が勿体ないとさえ思えてしまう。




ふと、私の手を包んでいたなおちゃんの右手が離れた…と思ったら、私の頭を優しく撫で始めた。




安心する大きな手にすり寄っていると、顔の上に影ができた。




ちゅ、というリップ音と共に、おでこになおちゃんの唇が降りてきた。




そのまま目蓋、頬、唇へと下がってくる。




「ん…なおちゃん、くすぐったいよ。」




が可愛いからいけないんだ、仕方ない。」




「何それ…っふ、」




「ちょっと、黙って…」




啄む様なキスから、徐々に深いキスへと変わっていく。




なおちゃんの舌が一頻り私の口内を蹂躙した後、名残惜しく銀糸を引き、離れていった。




「は…なおちゃん、激し…」




「なぁ、。」




「ん…なぁに?」




「結婚してくれないか、僕と。」




驚いた。けれど




「よろこんで!!」




「ありがとう…愛している、。」




モドル