今日は…1年生は登校日じゃないのに…
何故私は学校に来ているんだろう…。
気が付けば私が高校へ入学してから11ヶ月が経過した。
そう、今は3月。そして今日は卒業式。
3年生にはこれっぽっちもお世話になった記憶が無い。
なのに何故!私は今!その3年生の卒業式に出席しているのか!!
「、生徒会の一員として出席しているんだ…寝るなよ?」
「…ぐぅ…!」
やろうと思っていたことをやるなと釘を刺されてしまった…。
いや、そもそも私は生徒会に入ったつもりは毛頭ないと
「は僕専用のペットという立派な役目を果たしているじゃないか。」
うん、だからね、私の心の中の声と会話しないでくれる?
滞りなく進行していく3年生の卒業式。
そして私に着々と襲いかかる睡魔という魔の手…。
うつらうつらとする意識の中、膝の上に置いていた手に温もりが重なった。
「……」
「ん…?なぁに、なおちゃん…」
「眠いのか?」
「ん…。」
「仕方ないな、僕の膝を」
「要らない。今目が覚めた。超覚醒した。」
「チっ…」
「あともう手離してくれて大丈夫だから。」
「…チッ…」
2回目の舌打ちは本気だったな…。
それから式は無事終了し、3年生が列を成し、体育館から退場していった。
そして私は完全に寝ていた。
「ん〜…終わったの?」
私を起こしたのは3年生を送るための拍手だった。
つられて私も手を打った。…ふと隣を見ると…
顔面が涙と鼻水とでまみれたなおちゃんがいた。
「ヒィッ?!」
「ズビッ…何を色気のない声を出している、。」
「い、いやー、だって、世にも珍しいものを見たというかなんというか…。」
「うっ…うっ…」
「ヒッ?!な、泣きすぎ…なおちゃん、そんなに3年生の事…。」
「やっとと一緒になれたというのに、また離れ離れになるだなんて!うおーん!」
「い、今までだってそうだったし、今すぐ離れ離れになるわけじゃないでしょ!…それに…。」
「…それに…?」
「わ、私だってなおちゃんと離れ離れになるの、イヤだよ…?」
モドル
トジル