「と、前回の話で文化祭の出し物は決まった訳なのだが。」
「私は了承したわけではないですけどね!」
前回の話から時間は1時間も過ぎておらず、文化祭まではあと1ヶ月。
まだ生徒会室での話し合いは続いている。
(決して思いついていたネタの消化というわけではない…はず)
「では早速…。」
なおちゃんはいそいそと鍵付きの引き出しの中を漁り始めた。
何が出てくるのかと思いながら眺めていると、どうやってそこに収まっていたのかと思わざるを得ないほどの量のアルバムの山。
嫌な予感しかしないが、聞かなければならないのも事実。
「…なおちゃん。一応確認のために聞いておくけど、これは何?」
「見ればわかるだろう。アルバムだ。」
「誰の?」
「考えればわかるだろう。のだ!」
「わかるかー!」
「どう、どう!」
そういえば私はまだ西田君に羽交い絞めにされていたんだった!
「だってこの量異常でしょう?!私の家よりあるぞ!!」
「当然だ。僕の大事なコレクションだからな!」
「捨ててしまえ!」
「そう恥ずかしがるな、。当日まで楽しみにしておけ。帰るぞ。」
「ッギャー!!ひーとーさーらーぃー…!」
…それからあれよあれよという間に1ヶ月が過ぎ、文化祭当日となった。
生徒会主催のペット自慢コンテストは予定通り行われ、票もそこそこ集まっているらしい。
結果発表は文化祭の後夜祭で行われるらしい。
でも、
「私知らない。どーでもいい。文化祭を純粋に楽しみたい。」
「そうならそうと言ってくれればよかったのに。」
「聞く耳持ってなかったよね?!」
投票BOXの設けられた生徒会室の前でぶーたれていると、何処からともなく事の張本人、なおちゃんが現れた。
「ほら、行くぞ。」
そして、右手を差し出される。
「え、何処へ?」
尋ねると、さも当然の様に、
「文化祭を楽しみたいんだろう?」
「…うんっ!」
最終的にはなおちゃんに絆された感が否めない。
けれど、焼きそば、たこ焼き、りんごあめ、わたあめなど、非常に文化祭を楽しめた気がする。
「色気より食い気か…」
「ん、何か言った、なおちゃん?」
「いや、流石ペット自慢コンテストでグランプリを取っただけあるな、と。」
「…え…?」
モドル
トジル