「さて諸君、新学期早々集まってもら多のは言うまでもない。」
あっという間に夏休みが終わり、気が付けば今日から新学期。
始業式が終わり、さぁ帰ろうという時になおちゃんに捕まり、着いた所は生徒会室だった。
生徒会役員にはそれぞれ宛がわれた席があり、その机の上には名札があるのだが、なぜか私の名札はなおちゃんの手書き、尚且つその名札の置かれている場所はなおちゃんの膝の上だった。
さも当然というように私に向かって揃えた膝をポンポンと、その膝の持ち主であるなおちゃんが叩いたが、そのなおちゃんの横っ面を殴るもの然るべき処置だと私は思う。
そして、なおちゃんから一番離れた部屋の角に椅子を置き、座っている。
議題はどうやら、1ヶ月後に行われる学校行事、文化祭についてらしい。
1年生である私は勿論初参加なので、どーのこーの口出しする気はない。
というか、生徒会に入ったつもりも毛頭ない。
「ということで、生徒会での出し物はペット自慢にしようと思う。」
どうやら生徒からペットの写真を公募し、それを文化祭当日に人気投票を募るらしい。
「面白そうですね、センパイ!」
「因みに僕も参加するつもりだ。」
「え、なおちゃんのお家、ペット飼ってたっけ?」
未だかつて、お隣からそんな物音は聞いたことが無い!
…嫌な予感しかしない…まさか…
「何を言っている、。君の事じゃないか。」
「ふざけんなぁぁぁぁああぁぁ!」
「ちゃんと名札にも生徒会長専用ペットって書いてあるじゃないか。」
「頼んだ覚えはないっ!今すぐ消してやるっ!」
「西田。」
「あー、ハイ。…ちゃん、ゴメンね?」
「えっ…?!」
誰に対しても警戒心をむき出しにしていたのに、容易に背後を取られ、羽交い絞めにされてしまった。
「消すだなんて勿体ない。これは僕が預かっておこう。」
「あー!!」
不名誉な肩書の付いた名札は、なおちゃんの鍵付きの引き出しに仕舞われてしまった。
しゅんと項垂れる私の頭を、西田先輩にポンポンと叩かれる。
うぅっ、恋をしてしまいそうだ…!
「ドンマイ!」
前言撤回!誰が恋などしてやるものかこの権力の犬め!
「で、他に案はあるか?」
「「「「「異議ナーシ!」」」」」
「ふざけんなー!!」
モドル
トジル