07.待ちに待った夏休み
今日は終業式!
イコール、明日からは待ちに待った夏休みだぜイエア!
早く終われ学校、学校早く終われ!
明日からは私のバラ色夏休みライフが待っているのさ…!
プール、海、バーベキューのヘビーローテーションなのさ!
とにもかくにもバラ色夏休みライフを得るために私は、奴に捕まる前に学校を脱出しなくては…!
「じゃあお前ら、夏休みだからと羽目を外して死ぬなよ。日直。」
「きりーつ、れー…」
担任の伊藤先生の不吉な一言で一学期が終了した。
もう荷物は纏めてある…
あとはこの教室から、学校から、止まらず振り返らず脱出するのみ!
「おっと忘れてた。、このあとすぐ、職員室へ来い!」
「はぁっ?!」
私の野望は一瞬にして打ち砕かれた。
所変わってここは職員室。
冷暖房完備…羨ましい。
「まぁ、かわいそうだが仕方ないよな。」
「ヤメテクダサイ伊藤先生。」
「これもお前の為なんだ…」
「それ以上何も言わないでください!」
「まぁ聞け…補習だ。」
「イヤァァァァアァァア!」
私のバラ色夏休みライフが…プールが、海が、バーベキューが、祭りが、花火が…遠ざかっていく…。
「先生、あたし、一生恨んでいいですか。」
「それも先生の仕事だ。じゃあ、明日も来いよ!」
「…うぅぅっ!」
今度こそ振り返らずに、走り出した。
「遅かったじゃないか。」
今度は昇降口になおちゃんがいた。
…まてよ、そもそもの事の発端は…誰だ?
「全部あんたのせいだぁ!」
「何がだ。」
「私の夏休みが…補習で…うぅっ…」
「そうか…なら僕がなんとかしよう。」
「…えっ、本当に?」
初めてなおちゃんを尊敬できる気がする!
「先生に代わって僕が勉強を見てやろう。あぁ心配するな。保健も一緒に教え」
「いらんわぁぁぁ…!」
今度こそ…今度こそ止まらず、振り返らず、家まで一目散に走り続ける。
「はぁっ…はぁっ…」
「置いていくなんて酷いじゃないか。」
「ひぃっ!」
そういやコイツお隣さんだったー!
モドル
トジル