03.生徒会登場
「…何で土曜日まで学校に来なきゃいけないのよ…。」
それもこれも、生徒会総選挙とかいう学校行事のせい。
そういえば最近色んな人がビラを配ったり、ま…マニアック?とかいうのを声高らかに叫んでいた気がする。
しかし残念ながら、全く興味がない!
(あぁ、サボれば良かった…。)
全ての元凶は、隣の家の次男坊さんがいつも通りに迎えに来た事と、元々自分の性格が真面目なのが悪いんだ…。
いつもより空いている電車に乗り、いつもの通学路を歩く。
いつもと違っていたのは、校門より内側だった。
看板が立ち並び、お立ち台に上がった人は大声で何やら喚き散らしている。
「全く、よくやるよ…。」
「は生徒会には興味ないのか?」
「あるわけないじゃん。私一人いたって何もできないよ。」
「それはどうかな?実行委員会の方では飛び入りも受け付けているようだぞ。」
「えー、いいよ。」
「そうか。」
(全く、他人事だと思って!)
立候補者には目もくれず、昇降口まで歩き、そこでなおちゃんとは別れた。
HRが終わると全校生徒が体育館へと集められ、立候補者による最後の演説が始まった。
勿論私は興味がないので、その長い時間を貴重な睡眠時間へとシフトした。
ステージの上を見ることなく。
しばらくすると周囲がガタガタと動き始めた。
どうやら投票の順番が回ってきたようだ。
事前に持たされていた投票用紙にはもう番号を記入してある。
(フルネームじゃなくていいらしい。勿論名前なんて知らないのですべて1番と記入してある。)
しかしこれが後々自分の身の破滅を呼ぶとは知りもしない…。
選挙は即日開票される。頑張れ選挙管理委員会…!
私は他人事で校舎裏の木陰でおにぎりを頬張る。
開票作業が終了し、午後一で再び全校集会。あー、めんどくさい。
新旧生徒会で引き継ぎ式をするらしい。私には関係ないのに…。
ぼーっと眺めていたら壇上に見慣れた姿を見つける。あれは…
「なおちゃん…?」
目が合った気がする。え、何で?生徒会長?うそでしょ?
「今回からの新役職、『生徒会長専用ペット』には、1年のを指名する。」
「ペットって!なにそれ?!」
モドル
トジル